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退職の制度・手続き

退職後の手続き一覧|50代・60歳・65歳の違いと期限

退職したら、まず何をすればよいのでしょうか。最初に決めるのは、退職翌日からの健康保険と年金です。そのうえで、求職するか、休養するか、再就職が決まっているかに応じて、雇用保険や税金などの手続きを組み立てます。自分に必要な行だけ選べるよう、期限・窓口・持ち物と、年齢による違いをまとめました。

人生の六合目 編集部 公開・情報確認:

最初に押さえる3点

  • 健康保険と年金は、退職後の加入先を先に決める。書類が全部届くまで待たない。
  • 国保・国民年金の14日、任意継続の20日は、別々の手続きの期限。
  • 60歳未満か、65歳未満か、仕事を探すかによって、自分に必要な手続きが変わる。

日本国内に住む会社員の退職を想定した、2026年11月2日確認の案内です。健康保険組合・共済、海外転出などでは取扱いが異なることがあります。給付の可否・保険料・受理書類は各窓口が判断します。この記事は個別の法律・税務相談に代わるものではありません。

まず、自分の「退職後」を選ぶ

定年退職でも早期退職でも、全員が同じ順番で同じ窓口へ行くわけではありません。退職日、次の会社の社会保険加入日、本人と配偶者の年齢、今すぐ求職するかの4点を書き出してください。「内定がある」だけでなく、何日から健康保険・厚生年金に加入するかまで確認するのが出発点です。

あなたの予定から、読む場所を選ぶ
退職後の予定最初に確かめることこの記事の該当箇所
翌日から再就職・継続雇用新しい勤務先での加入日と、扶養家族の手続き。短時間勤務などで社会保険に入らない場合は別の加入先が必要。健康保険/年金
次の入社まで期間が空く空白期間の健康保険。60歳未満は年金の種別も確認。同じ月内の再就職でも手続きが不要とは限らない。期限の一覧
すぐに仕事を探す健康保険・年金と並行して、雇用保険の受給要件と離職票を確認。ハローワーク
休養・旅行をしてから考える休養中の生活費と、受給期間延長の対象か。働く予定がない期間に基本手当が出るわけではない。すぐ働かない場合
独立・開業する健康保険・年金の変更に加え、事業開始と雇用保険の関係を開始前に確認。雇用保険の注意点

退職翌日以降の行動をこのページで整理し、会社からの書類の取り寄せ方は退職時にもらう書類の一覧で確認できます。

退職後の手続き一覧表|期限・窓口・持ち物

起点は原則として最後に出勤した日ではなく、会社を退職した日の翌日です。有給休暇を消化してから退職する場合は、最終出勤日と混同しないようにします。国保と任意継続は加入先の選択肢なので、表のすべてへ同時に申し込む必要はありません。

表は左右にスクロールできます。印刷する場合は、ページ上部の「この記事を印刷する」を使えます。

退職前に準備し、退職後に本人が進める主な手続き
手続き・対象期限・着手時期窓口/主な準備遅れそうなとき
国民健康保険に加入する人資格喪失日(通常は退職翌日)から14日以内住所地の市区町村。資格喪失を証明する書類、本人確認書類、自治体指定の口座振替用資料など。[1]書類の不着を国保窓口に相談。届出を遅らせても保険料を免れるわけではない。
国民年金第1号になる20歳以上60歳未満の人退職日の翌日から14日以内市区町村の国民年金窓口、または対象手続きの電子申請。基礎年金番号またはマイナンバー、本人確認、必要に応じ退職日の資料。[2]年金窓口へ連絡。払えない場合も放置せず免除等を相談。
健康保険を任意継続する人退職日の翌日から20日以内退職前の保険者。協会けんぽは住所地の支部へ申出書を提出。郵送は必着。[3]申出期限を過ぎる前に保険者へ連絡。国保の届出期限とは別。
家族の健康保険の被扶養者になる人退職前に条件を照会し、資格が変わり次第速やかに家族の勤務先・加入保険者。退職・収入・生計維持関係などの証明。[3]認定日、書類の後日提出可否、認定されない場合の加入先を確認。
雇用保険の給付を希望し、求職する人求職できる状態になり、離職票を受け取ったら早めに。基本手当の受給期間は原則退職翌日から1年住所地を管轄するハローワーク。離職票1・2、個人番号・本人確認資料、本人名義口座、写真等。[4]不着の場合は会社に照会し、ハローワークへ相談。1年待ってよいという意味ではない。
60歳以上65歳未満の定年等で、しばらく休養する人受給期間延長の申請は離職日の翌日から2か月以内住所地を管轄するハローワーク。受給前なら離職票2、延長申請書など。対象となる離職理由を確認。[5]離職票が未着でも、期限前に相談する。
企業型DCの資産移換等が必要な人加入者資格を失ってから6か月以内加入していた制度の窓口と移換先。資格喪失通知、移換先の申込書類など。[6]自動移換になる前に手続き。受給開始の対象者は運営管理機関へ確認。
住民税を給与から差し引かれていた人最終給与の確定前に徴収方法を確認。納付書は記載の納期限まで会社の給与担当・課税した自治体。住民税の通知、最終給与明細。[7]金額や納付時期が不明なら自治体へ。退職しても課税済みの税額は消えない。
中途退職して年末調整を受けない人退職した年の所得を整理し、翌年の申告の要否を確認税務署・国税庁。給与の源泉徴収票、各種控除の証明等。還付申告だけなら翌年1月1日から5年間。[8]納税が必要な確定申告には所定の期限がある。5年間という扱いと混同しない。

休日の扱いは手続きごとに確認してください。協会けんぽの任意継続は、20日目が土日祝日の場合は翌営業日と案内されています。期限ぎりぎりの郵送を避け、申請先の受付方法と必要書類を退職前に確かめておくと安心です。

健康保険は「家族も含めた加入先」を決める

会社の健康保険の資格は通常、退職日の翌日に失います。退職後すぐに勤務先の健康保険へ入らない人は、任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者を比べます。無職になったから国保が必ず安い、任意継続なら必ず得、とは決められません。

退職前に、同じ条件で3つを照会する

  1. 退職前の保険者:任意継続の月額、家族の扶養認定、申請方法、初回納付期限を聞く。協会けんぽでは、退職日までに継続2か月以上の被保険者期間が必要です。
  2. 住所地の国保窓口:前年所得、退職後に加入する家族の人数・年齢を伝え、世帯での保険料と軽減・減免の対象かを試算してもらう。
  3. 家族の勤務先:退職後の収入見込み、年金・失業給付の予定を伝え、扶養の条件、認定日、証明書類を確認する。

比較メモは「本人だけの金額」ではなく、家族を含む毎月の負担でそろえます。協会けんぽの任意継続は原則として在職中の本人負担の約2倍ですが上限等があり、国保は前年所得や世帯人数、自治体によって違います。家族の被扶養者として認定される場合は、被扶養者本人の保険料負担はありません。[3]

市役所へ行く前に確認する持ち物

国保加入の例として横浜市では、健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、口座振替のための通帳・届出印等を案内しています。別の自治体では受け付ける書類や電子申請の方法が異なります。家族も加入するなら、家族全員の資格喪失が証明されているかも確認してください。[1]

マイナ保険証を使っていても、保険の加入・切替えの届出は必要です。「カードがあるから手続き済み」とは判断しません。切替え中に受診予定がある人は、加入先と医療機関へ資格確認の方法を確認してください。[9]

年金は60歳未満かどうかと、配偶者の状況で分ける

日本国内に住む20歳以上60歳未満で、退職後に厚生年金へ加入しない人は、原則として国民年金第1号への変更が必要です。厚生年金に加入する配偶者に扶養され、第3号の条件を満たす場合は、配偶者の勤務先を通じて手続きをします。子どもの健康保険の扶養に入っても、国民年金第3号になれるわけではありません。[2]

60歳以上は、20歳以上60歳未満の人と同じ第1号への強制加入として扱いません。納付期間が不足する人などには任意加入の制度があります。「退職後に何へ加入するか」と「老齢年金をいつから受け取るか」は別の手続きとして確認します。

本人の退職で、配偶者の手続きも発生する

例えば、60歳で退職する本人と、国民年金第3号の57歳の配偶者がいる家庭を考えます。本人が再就職せず厚生年金を抜けるなら、配偶者も第3号のままにはできず、通常は第1号への変更が必要です。健康保険を任意継続し、配偶者がその被扶養者になった場合でも、健康保険の扶養と年金の第3号は別です。本人分だけ手続きを終えてしまわないようにしてください。[10]

また、20歳以上60歳未満で第1号に該当する人は、3月末退職・4月途中再就職のように同じ月のうちに厚生年金へ入り直すケースでも、空白期間の第1号への変更手続きが必要です。保険料が発生するかと、届出が必要かを分けて確認します。[11]

保険料が負担になる場合は、失業等による免除の特例を年金窓口へ相談します。自動で免除される制度ではなく、配偶者・世帯主の所得等も関係します。[12]

失業保険は「働く予定」と65歳の前後で確認する

いわゆる失業保険の基本手当は、退職した全員への給付ではありません。働く意思と能力があり、仕事を探しているのに就職できない状態などが要件です。新しい仕事がすでに決まっている場合、休養に専念する場合、事業を始める場合は、その予定をハローワークへ正確に伝えます。[4]

一般的な会社員が離職する場合の確認先
離職時の年齢主な給付押さえる違い
65歳未満基本手当加入期間、離職理由、求職の状態等を確認。受給期間は原則離職翌日から1年。
65歳以上高年齢求職者給付金一定の加入期間と求職等の要件がある一時金。基本手当と同じ受給期間延長制度はない。

65歳以上の給付も、退職しただけで自動的に支給されるものではありません。高年齢被保険者としての資格・加入期間などを確認します。[13] 誕生日の近くで退職する予定なら、年齢の判定と退職予定日の組合せを、退職日を決める前にハローワークへ照会してください。

早期退職制度の利用=会社都合、とは限らない

「早期退職」「希望退職」という社内での名称だけで、雇用保険の離職理由は決まりません。募集の経緯や条件などが関係します。募集要項、会社からの説明、離職票の記載をそろえ、事実と違うと思う点はハローワークへ申し出ます。離職理由の最終判断を会社の説明だけで済ませないことが大切です。[4]

自己都合離職の給付制限も、古い記事の「原則2か月」をそのまま当てはめないでください。2025年4月1日以降の正当な理由のない自己都合離職は原則1か月に変更され、過去の離職回数等による例外があります。待期・給付制限・失業認定・振込日はそれぞれ違うので、退職翌月の収入として決め打ちしないようにします。[14]

65歳未満で老齢厚生年金を受けている人は、求職申込みによる年金の支給停止が関係する場合があります。雇用保険の窓口と年金事務所の両方へ確認してください。[15]

定年後すぐ働かない人は、受給期間延長を先に確認

60歳以上65歳未満で定年等により離職し、しばらく休養したい場合は、離職日の翌日から2か月以内に申請すると、求職申込みをしない期間を最大1年、基本手当の受給期間に加えられる制度があります。受給できる日数を増やす制度でも、休養中に給付を受ける制度でもありません。 60歳以上の定年後の継続雇用が終了した場合などを含め、対象はハローワークへ確認します。[5]

50代で自己都合退職して旅行する場合に、この定年等の休養に関する延長を当然に使えるわけではありません。病気・けが・妊娠・出産等で働けない場合の延長は別の要件です。「休みたい」と「働けない」を混ぜず、自分の理由と期間を伝えます。

受給手続きをまだしていない場合、厚生労働省は、離職票2、受給期間延長申請書、理由を証明する書類等を案内しています。書類が届かないときは、まず期限と不着の事情をハローワークへ伝えてください。[4]

住民税・確定申告・企業年金は、後から困らないよう準備する

住民税は「今の残額」と「翌年度分」を分ける

給与から差し引く住民税は通常、6月から翌年5月までの分です。退職時には、残額を最終給与等で一括徴収するか、自分で納付するか、次の勤務先で特別徴収を続けるかを確認します。1月1日~4月30日の退職は原則一括徴収ですが、支給額等による取扱いがあります。[7]

退職時に一括で払っても、退職した年の所得に対する翌年度の住民税が別にかかることがあります。最終給与明細の控除と届いた納付書が「何年度分か」を見比べ、二重払いと思い込まないようにします。[16]

中途退職の年末調整・確定申告

同じ年に再就職した場合は、原則として新しい勤務先で前職分を含めて年末調整します。再就職せず年末調整を受けない場合は、納め過ぎの所得税等が還付されることがあります。給与の源泉徴収票と、退職後に自分で払った社会保険料等の資料を保管してください。ほかの所得がある人は申告義務も確認します。[8]

退職金の受け取りと企業型DCの移換は別々に確認

退職金を受け取る人は、会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出する手順を確認します。未提出の場合、原則として支払額の20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算する扱いです。ほかの退職金やDC一時金がある場合は申告内容にも関係するため、受取順だけで損得を決めず、会社・税務署等へ確認してください。[17]

一方、企業型DCの資産は、会社の退職金と一緒に自動で銀行口座へ振り込まれるとは限りません。資格喪失後6か月以内の移換等が必要な人は、加入していた制度と移換先へ早めに連絡します。手続きがなく自動移換されると、運用が止まり手数料が発生するなどの不利益があります。受給年齢等に達している人は、受け取りを含めた自分の手続き区分を確認してください。[6]

離職票がない・14日を過ぎたときの動き方

  • 離職票が届かない:会社に処理状況と交付方法を確認し、必要に応じてハローワークへ。国保や年金の相談まで止める必要はありません。
  • 健康保険の資格喪失証明が届かない:会社・保険者に発行予定を聞き、国保窓口に別の証明や後日の補完が可能か相談します。受け付ける資料は自治体ごとに確認します。
  • 14日を過ぎてしまった:今からでも市区町村の国保・年金窓口に連絡します。資格が発生した日、保険料、期間中の受診があればその扱いを確認してください。
  • 任意継続の20日が迫っている:申請先の保険者へ直接連絡します。ほかの書類の到着を待って期限を延ばせるとは考えません。

国保の保険料は、届出月ではなく加入月からかかります。自治体の案内[18]も確認してください。書類別の発行元、離職票の会社側の提出期限、不交付時の相談先は、会社からの書類が届かないときの対応表にまとめています。

今日、ここまで決める

家族分も含めた「次に連絡する3か所」を書く

  1. 退職日__/次の社会保険加入日__/本人の年齢__/配偶者の年齢__
  2. 健康保険:比較・申請先__/連絡日__/期限__
  3. 年金:本人の変更__/配偶者の変更__/窓口__
  4. 雇用保険:求職・休養・開業の予定__/窓口へ伝える日__

会社には書類の予定日、各窓口には自分の申請期限を聞きます。予定が未定の欄は、次に確認する日を入れておきましょう。

よくある質問

市役所とハローワークは、どちらを先に行けばよいですか?

必ずどちらが先という一律の順番はありません。健康保険・年金の期限を確認し、求職する人は離職票の準備とハローワークの手続きを並行して進めます。離職票の不着だけを理由に、国保・年金の相談を先送りしないでください。

60歳で定年退職したら、国民年金に加入し直しますか?

原則の強制加入は20歳以上60歳未満です。60歳以上には条件に応じた任意加入があり、年金を受け取る手続きは別です。60歳未満の配偶者が第3号の場合は、その配偶者の変更も確認してください。

退職後1週間だけ空いて再就職する場合も手続きが必要ですか?

加入の空白がある場合は健康保険を確認し、60歳未満で第1号となる人は年金の手続きも確認します。再就職が同じ月でも、保険料の計算と届出の要否は別です。新しい会社の社会保険加入日を伝えて窓口に照会してください。

すぐに働かなくても失業保険はもらえますか?

求職の意思・能力等を満たす必要があります。休養中に自動で支給されるものではありません。60歳以上65歳未満の定年等による離職で休養する場合は、離職翌日から2か月以内の受給期間延長を確認します。50代の自己都合退職にも同じ扱いが適用されるとは限りません。

確認した一次資料

以下は2026年11月2日に確認した公的機関・制度運営機関の案内です。自治体の例は全国共通の持ち物を保証するものではありません。記入例・相談文は編集部作成です。

  1. 横浜市:退職後に国民健康保険へ加入するとき
  2. 日本年金機構:国民年金に加入するための手続き
  3. 協会けんぽ:任意継続・退職後の健康保険
  4. 厚生労働省:基本手当・再就職手当のQ&A
  5. ハローワーク:雇用保険のよくある質問(定年等による受給期間延長)
  6. iDeCo公式:転職・退職時の手続き、自動移換
  7. 横浜市:退職等に伴う住民税の徴収方法
  8. 国税庁:中途退職で年末調整を受けていないとき
  9. 協会けんぽ:マイナ保険証・資格確認書について(転職・退職時の手続き)
  10. 日本年金機構:配偶者が転職・退職したときの手続き
  11. 日本年金機構:会社を退職したときの国民年金の手続き
  12. 日本年金機構:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
  13. ハローワーク:基本手当・高年齢求職者給付金
  14. 厚生労働省:2025年4月の制度変更(雇用保険の給付制限)
  15. 日本年金機構:老齢厚生年金と失業給付の調整
  16. 横浜市:退職後の住民税
  17. 国税庁:退職金を受け取ったとき
  18. 横浜市:国民健康保険料の負担が始まる月

人生の六合目 編集部

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